コンサルはインチキ
自己紹介もくじ
その後、本社勤務になりました。
営業課長というポジションから。
店舗統轄のサポートです。
それから人事課長になり、新卒採用や中途採用・新店の募集・人事制度の構築等をやりました。
労働組合の初代副委員長も。
普通、現場と本社は少なからず対立の構図があります。
「本社は現場のことを知らないくせに…」みたいな。
でも、私にだけは絶対にそんなことは言えません。
そりゃそうですよね。
「ん?オレの方がお前よりできるし?」で終わりですから。
なので自分で言うのも何ですが、私がお店に行ったときの現場の緊張感というか、一気に空気が張り詰めるのは凄かったですよ。
私の現場時代の話もどんどん神話化され、「河野さんは現場時代に日替わりランチ4人分を運んだらしい」みたいなレベルの話ですが…。
お皿8枚運んだということですね。
オレは曲芸師かっ!そんなことできるかっ!
また、この頃に体験したいろんなことが将来の私の血となり肉となりました。
商品開発・仕入れ・立地・店舗設計・新店立上げ・もろもろのプロモーションツール作成・・・・・
経理とIT部門以外の、飲食業に関するありとあらゆる全てを経験しました。
会社も急成長の時期で、組織作りのために外部からどんどんスカウトしていました。
飲食業に限らず、いろんな業界の名だたる大企業や銀行の幹部の人達が、どんどん入ってきてはどんどん辞めていきました。
文化が違いますしね。
でもその時に思ったのは、「世の中の優秀と言われる1,000万円プレーヤーの人達って、この程度のレベルなんだ。だったら、もっとうちの幹部の人達を重用してあげればいいのに」ということでした。
外を知る機会になりました。
さらに、コンサルを受ける立場も経験しました。
トータルで10人くらい。
その時に思ったのは、「コンサルタントってインチキだ!」ということ。
結局、「これまでの自分の経験の切売り」でしかないんです。
ロイヤル出身の人はロイヤルのやり方しら知らないし、マック出身の人はマックのやり方しかしらないし、それが全て正しいと思ってる。
相手の業種業態や会社の規模・状況等は関係なく、全てにそれを押し付ける。
本来コンサルって医者と一緒で「相手の症状に合わせて処方箋を出す」ということだと思うのですが、「相手が風邪だろうが頭痛だろうが何だろうが、出す処方箋はいつも同じ1つだけ」みたいな感じ。
経験の切売りだから、自分自身のブラッシュアップもなく陳腐化していきます。
創業者は貪欲ですから、すぐにそんなレベルのコンサルは追い抜いちゃうんですよ。
最初は「先生、先生」と対応してたのに、だんだん「河野君、ちょっと相手しといて」みたいな。
私にとってはありがたいことにこの体験が反面教師になり、独立した時に「中小企業診断士を勉強しよう」と思ったきっかけの1つになりました。
でも1人だけ、「なんじゃこの人は!なんちゅうスゴイ人なんだ!恐れ入りましたm(__)m」という方がいました。
武川先生です。
大元は、渥美俊一率いる日本リテイリングセンター(通称ペガサス)ですが、この先生だけは凄かったです。
空港までの送迎を私がしていたのですが、車の中で私レベルにもいろんなことを教えてくれるんです。
東京1号店が出来たときに私も立上げで行ってたのですが、武川先生が奥様と来店され、私に気付いて奥様に紹介されました。
「この人が河野君と言って、この人で会社がもってるくらいの中心人物なんだよ」と。
もう、泣きそうになりましたよ。